第122号「運河へでかけませんか」森川雅行

第122号「運河へでかけませんか」2016.11.25配信

 平成28年9月25日14時40分。名古屋港中川運河ドラゴンボートBクラス決勝のスタート地点。緊張感が場を支配する。3・2・1・レディ・ゴーで4艘がスタート。20人の漕ぎ手が太鼓の音に合わせて力を結集し、250m先のゴールを目指す。中間地点の白ブイを通過した時点で、我が不動テトラ中部支店チームは、隣の20代・30代の若手主体チームに遅れをとる。若者から60歳代までの幅広い年齢構成の弊社チームは、負けてなるものかと年寄りを中心にラストスパート。掛け声が自然と揃い、自分も含め皆、腕と腰がパンパンになりながら懸命に漕ぐ。見事先行艇をかわし1位でゴール。

 今、名古屋港中川運河を初め、宮城県仙台塩釜港の貞山運河、富山県伏木富山港の冨岩運河、宮崎県油津港の堀川運河や神戸市の兵庫運河等、全国各地で運河に賑わいを取り戻す取り組みが進められている。その中で典型的なものが、小樽運河である。大正12年に前面を埋め立てる形式で小樽運河が作られ、沿岸には倉庫群が立地し、活発な物流活動が行われていた。時はいつしか高度成長期、モータリゼーションの進展から、昭和41年に運河を埋め立て6車線の道路計画を決定、これに反対する市民運動が起こる。10数年の議論を経て、40メートルの運河の半分は運河として残し、残りの半分を埋め立て遊歩道等の整備を行い、現在に至り、多くの来訪者で賑わっている。

 運河に人を呼び戻すためには、水質は重要な問題である。元来、運河は閉鎖性で水の循環が少なく底質が悪化しやすく、夏場は臭うなど様々な問題が生じてきた。最近は流入負荷が減少するとともに、地元による水面や水辺の清掃、エアレーション、曝気や貝などの生物を用いた浄化システムなどが運河の特性に応じて導入され、水質が改善されている。

 さて、来年1月21日(土)にCNAC第11回全国フォーラム「自然体験活動の醍醐味 ~海の底力をはかる~」が東京海洋大学品川キャンパスで開催される。全国の活動事例の報告やパネルディスカッションが行われる。翌22日(日)には、「東京湾文化体験エコツアー ~船で巡る台場・天王洲のウォーターフロント~」が実施される。京浜運河、天王洲運河等を船で回り、船代、ランチ付き、運河活性化に取り組んでいるNPOの方のガイド付で参加費3,000円(予定)。冬の休日、東京港を代表するウォーターフロントを海から一望しませんか。どなたでも参加できます。
詳細、参加申し込みはこちらから。

CNAC理事 (株)不動テトラ 専務執行役員 森川 雅行 (2016.11.18記)

2016年11月21日|キーワード:運河