第131号「海の家・さかずきテラスプロジェクト」大塚英治

第131号「海の家・さかずきテラスプロジェクト」2017.8.25配信

きっかけは、昭和初期に建てられ海の家との出会い。経営者の高齢化により休業していました。

「新しい価値」
海には魅力的なモノ・コトがあり、その価値は時代により変遷していきますが、デザインやビジネスの力で、新しい価値を与えることができる。そして海を生業としたライフスタイルを提案したい。そんな思いでプロジェクトがスタートしました。
事業構想となり得る小さなアイデアは、各専門分野のディレクターとデザイナーの手により、具体的な事業へと姿を変えていきます。
使われなくなった海の家のリノベーションが、海辺に新たなデザイン空間を生み、モノ・コトが動き出しました。

「海辺のカフェ」
さかずきテラスは、北海道日本海沿岸の泊村に位置し、近年は世界のスキーリゾートとして認知が進むニセコエリアに隣接しています。国内外からの滞在型富裕層の集客力を持つことから、今後も周辺地域には食と観光への、シャワー効果ともいうべきマーケットへの染み出しが期待できます。そこで、地域資源である温暖で透明度の高い「積丹ブルー」の海をフィールドとしたアクティビティーと、そこで産する新鮮な食を提供する海辺のカフェをオープンしました。

「コミュニティーを生み出す」
美しい海辺の景観と、古民家をリノベーションしマチの歴史文化を表現するデザイン空間には、地域の農漁業者、水産加工事業者、飲食事業者、札幌在住のデザイナー等が集い語り合っています。また先進的な生産者や都市部の経営者をゲストに迎えた「Gan-wu Café」を定例開催。良質な農水産物、観光ポテンシャルの高い景観等の地域資源を活用し、地域が等身大で持続的に取り組めるビジネスモデルの創出、強化を図る研鑽の場を形成しています。

「地域を軸とした経営」
「さかずきテラス」は、海の専門会社である当社が永年培ってきた海洋環境や漁業に対する知見、地域(行政、一次生産者、観光、有識者、地域住民など)との関係性を生かし、事業領域や行政区分の垣根を超えた合意形成の場となっています。法令や事業者間摩擦などをはじめとする地域課題を解決し、地域に根差す多様なビジネスの創出を目指しています。
建築デザインにこだわり、コミュニティーデザインの設計を加えることで、人が集う洗練された場として定着し始めました。
そして、新たな雇用創出や、担い手の育成、定住促進、民間ビジネスの参入など地域の課題解決にも貢献するといった、地域振興のロールモデルとして全国に波及する可能性を秘めていると感じています。

CNACでは広く国民が海と親しむ中で、豊かで美しい海を次世代に継承し、持続的な社会を創造していく活動をしています。今後とも連携を図り、海辺の多面的な活用を進めていきたいものです。


大塚英治 CNAC理事/(株)沿海調査エンジニアリング代表取締役社長 大塚英治
http://www.cre-poseidon.co.jp/

2017年08月21日