第118号「漁業体験はいかがでしょう?」大浦佳代

第118号「漁業体験はいかがでしょう?」2016.7.29配信

 こんにちは! 昨年、再び入会しました大浦です。この10年ぐらい「漁業体験」をライフワークにしています。全国各地の漁業体験の事業を訪ね歩き、実際に体験をして雑誌などに書いたり、事業化のお手伝いをしたり、ツアーの企画などもしています。
本職はライターですが、趣味が高じてダイビングインストラクターに。海の自然体験にかかわるうち、「海の学びは自然体験だけじゃ足りない。海とともに生きる漁村や漁業の体験も不可欠」と思いいたりました。というのは理屈で、本能にガツンと響く体験の面白さ、獲って食べる喜び、漁村のひとたちとのふれあいに、すっかりハマってしまった、というのが本当のところです。
 この10年の間でも、漁業体験の姿かたちはずいぶんかわってきました。社会の変化にともなって、体験交流事業に乗り出す漁村の事情はさまざまです。海とひととの距離、日本社会のありようが浮かび上がってきます。最近では、観光ではなく「教育」の事業がずいぶん増えたな、と感じます。漁村の教育力はとても高いのです。
ただ惜しむらくは、教育としてのプログラム化がイマイチのケースが多い。ちょっとした見せ方や解説の工夫があれば、と思う場面に出会います。さらに、学校の先生とがっちり組んで授業計画が練られている例が少ないことも、まだまだだなと感じます。この春、『森の学校、海の学校――アクティブラーニングへの第一歩』(日本文教出版)という本を出しましたが、その取材先探しの中でもこれは痛感しました。
 そこで、今、わたしがやろうと思っていることが2つあります。1つは、漁業体験の面白さや教育的な価値を伝える本を書くこと。これはもう出版企画が固まり、年度内にかないそうです。もう1つは、「漁業体験と海洋教育を融合」させた、教育プログラムをつくること。実際に、漁協や漁師さんとその地域の学校との間をつなぎ、地に足のついたものにしたいと、あれこれ候補地も考え始めています。
 ご一緒にいかがでしょう? 漁業体験、本当に面白いですよ!!
 あ、それから最後に。CNAC大会で、わたしに漁業体験の講演をさせてください。漁業体験の面白さ、高い教育力をお伝えしたく思います。よろしくお願いしま~す!

海と漁の体験研究所 代表 大浦佳代

 

 

2016年07月21日|キーワード:漁業,体験