第141号「半分、青い」森川雅行

第141号「半分、青い」2018.6.29配信

 

6月4日に開催された平成30年度海に学ぶ体験活動協議会(CNAC)の総会、理事会で4期8年務めた理事を退任し、新たに顧問に推挙いただきました森川です。国土交通省港湾局環境整備計画室長(平成17.8-18.7)のころから、現在に至るまで、CNACの創設や三箇年計画の策定など濃淡はあるもののCNACの活動にずっとかかわってきました

CNACの他に、いろいろな法人等の理事や監事を務めており、多くの方面で活躍する方々と接する機会がよくあります。これらの人とのかかわりの中で、CNACの役員や会員の方との交流が一番楽しいと感じています。これはなぜなのかなといつも自問していましたが、ある朝、テレビを見ていると、そこに答えがありました。それは、CNACの皆様が「半分、青い」からです。

「半分、青い」とは、現在放送中のNHK連続テレビ小説で、鈴愛(すずめ)という少女の成長を描くものです。少女は、小学生の時、病気で片耳を失聴してしまいますが、故郷である岐阜と東京を舞台に、ちょっとうかつだけれど失敗を恐れないヒロインが高度成長期の終わりから現在までを七転び八起きで駆け抜ける物語です(NHK,HP)。

自然体験活動に携わっている皆様は、子どもを主としてある意味、教育に向き合っています。その際、教えながらも同じ視線で謙虚に自分自身が新たに気付きを得て自らを成長させていると思います。必ずしも十分でない財政面や後継者等多くの難題を抱えてはいますが、常に前向きで向上心があると思います。いい意味で「半分、青い」と思います。話をしている時の表情や目つきを見ればすぐわかります。

平成23年3月東日本大震災が発生し、子ども達を中心に海離れが加速することが懸念され、CNACは自身の活動を見直し、平成25-27年度には、三つの広げよう運動(活動を広げよう・仲間を広げよう・感動を広げよう)、現在は「実践するCNAC三箇年計画」(H28-30)の最終年度に当たり、仲間や活動のウイングを広げる活動を実施しています。

わが国では、本格的な人口減少社会の到来や深刻な労働力不足により、より効率的な社会、働き方が求められています。特にAI技術の進展は目覚ましく、VR(仮想現実)が現実のものとなっています。特に子どもたちを中心にゲームに代表される仮想体験の機会が飛躍的に増えています。しかしこれは、失敗しても真の痛みを伴うものではありません。人間が成長するためには、実際に失敗や痛みを体感し、仲間と分かち合うことが重要で、これができるのが自然体験活動だと思います。

先のCNACの通常総会では、四名の理事が交代しました。その中には、20代の方やこれまでと異なる分野(帆船)で活躍されている方がいます。これを機に、CNACの過去を振り返るのでなく、新しい発想と行動力で、新しい海辺の体験学習、CNACを作り上げてもらいたいと思います。私も顧問として見守っていきたいと考えています。

最後にNHK『半分、青い』のHPから
「失敗って、楽しい。
    今日とは違う明日が、きっと見つかるからー」

平成30年6月25日 記

 

CNAC顧問 森川 雅行
(株)不動テトラ 執行役員副社長 http://www.fudotetra.co.jp/

2018年06月29日|キーワード:海