第53号「ふるさと東京を考える実行委員会の名称が生まれるまで」関口雄三

第53号「ふるさと東京を考える実行委員会の名称が生まれるまで」2011.2.25配信

ふるさとをおいて東京に働きに出る。
一旗上げるという思いで東京に出てくる。
東京で生まれ育った子供たちは東京が「ふるさと」になる。
しかし、そのふるさとの海や川は汚染され、泳ぐことや遊ぶことができない。
子供の目から見るとなんと不幸なことか。
生き物がまともに生きられない。ひとりひとりの欲のために弱いものが犠牲になる。
これは大人の目線で都市の構造が造られた結果だ。
次世代の子供たちがいかに健全に育てられるかが、この国の将来の明暗を分ける。
空気や水が汚れたままで、次世代の子供たちにふるさととしての環境に胸を張ってバトンタッチすることなど出来ない。これは皆、共通の問題であると思う。
だからこそ、政治や行政の問題として片付けるわけにはいかない。
一人でも行動する意思を持って立ち上がらなければ、子供たちに行動する姿を見せなければ、愛を証明することはできない。
赤字国債も問題であるが負の環境をそのままにしておくことの方がもっと問題なのである。

「国破れて山河在り」というが、今は「国破れて山河なし」
我がふるさと東京湾は日本一の漁獲高を誇っていた。
21世紀は自然環境を再生すべきところは再生し、守るべきところは守っていかなければこの国に将来はない。
その第一歩が、葛西海浜公園西なぎさでの海水浴場復活の取り組みである。
その実現こそふるさとを守り、国を守る一歩につながる、しいては発展途上国の国々から尊敬される国として存在することになると確信する。
これが私の所信であり、会の立ち位置でもある。

・2001年「ふるさと東京を考える環境フォーラム」を開催、それを機に「東京湾をきれいにしよう 10万人署名活動」を開始、2006年には2万人の署名を東京都知事に提出、現在は3万人を超す署名が集まっている。
2003年は発起人代表として「東京湾NPO市民ネットワークフォーラム」を開催。
2008年8月8日、「葛西海浜公園西なぎさを泳げる海にする」ことを目標とした「東京湾海水浴場復活プロジェクト」を立ち上げる。
海水浴場復活の方法として、これまで研究してきたマリンガーデニングの手法を活用したプランを提案。
2009年に「東京都」と「ふるさと東京を考える実行委員会」との協働事業として開始された葛西海浜公園西なぎさ海水浴場復活のための水質浄化実験は今年度が2年目、2012年の夏の海水浴場復活を目指している。
2010年は春から夏にかけて、日本財団の協力で全6回の「里海体験イベント」を開催、NPOの仲間でベカ舟を造り子供たちを対象に乗船体験を行い、投網や地引網、はまぐり放流等様々な体験を通して子供たちが海に親しんでいた。
2010年秋から2011年冬にかけては地球環境基金の協力で「マリンガーデニング体験―里海イベント-」海藻を育てて食べて、海をきれいにをテーマに全3回開催、子供たちがのりすきなどを体験した。

私たちの夢 (21世紀は環境再生の世紀-ボーダレスの時代)

私たちは、葛西の海に海水浴場が復活することをきっかけとして、次世代の子供たちのため東京湾内の他の地区にも波及し、東京湾の多くの場所で海水浴場が復活し、いつの日にか、あの澄みわたる潮風を味わうことのできる自然環境が帰ってくることを夢み、それが日本中・世界中に広がることを希求します。

認定NPO法人ふるさと東京を考える実行委員会の今後の活動と課題

幅広い市民参加による新しいム-ブメントの創出

活動推進者の育成と教育機関との連携
↓葛西海浜公園西なぎさの部分浄化による海水浴場の復活研究、教育機関の創設(環境再生のための総合大学)

新技術の創出と活用
↓新しい国家像の現出
新産業の創出と経済活性化
↓ 
一次産業の復興

水辺を活かした新たな都市環境づくり

高エネルギ-社会から低エネルギ-社会への移行

新しいライフスタイルの創造

日本国内外への成果の活用
↓ 環境主義によるボ-ダレスの時代
地球市民

課題

継続するための組織と人材とその資金
行政や企業、研究機関の積極的協力

CNAC理事 関口 雄三・認定NPO法人 ふるさと東京を考える実行委員会 理事長

2011年02月25日|キーワード:環境