第222号「「環境教育等促進法」基本的な方針の変更とESD活動支援センターの活用」加藤超大

第222号「「環境教育等促進法」基本的な方針の変更とESD活動支援センターの活用」2025.3.28配信

日本政府では、私たちを取り巻く社会的な状況や環境教育・ESD(持続可能な開発のための教育)の現状を踏まえて、5年を目途に「環境教育等促進法」基本的な方針を変更しており、2023年度に6回開催された環境教育等推進専門家会議及び意見募集(パブリックコメント)を経て、2024年5月に閣議決定しました。今回の改定における主な変更点は下記のとおりです。

【主な変更点】
環境教育の目的として、気候変動等の危機に対応するため、個人の意識や行動変容と組織や社会経済システムの変革を連動的に支え促すこと。
環境教育において特に重視すべき方法として、これまで重視してきた体験活動に加えて、多様な主体同士の対話と協働を通じた学びやICTを活用した学びの実践を、学校、地域、企業等の様々な場で推進すること。
学校内外での対話と協働による学びの推進に向けた、学校と地域・団体・企業等をつなぐ中間支援機能の充実による、学校の教職員の負担軽減と教育の質向上の両立を図ること。
これらを推進する具体的な方策の一つとして、中間支援組織の強化等を掲げ、その足掛かりとしてESD活動支援センターや地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)及び地方環境パートナーシップオフィス(EPO)等の既存の中間支援組織の活用を図ること。

参考:環境省報道発表資料 「環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育並びに協働取組の推進に関する基本的な方針」の変更の閣議決定について(2024年5月14日)
https://www.env.go.jp/press/press_03176.html

主な変更点にも記載にあるとおり、これからの環境教育・ESDの推進や学校内外での対話と協働による学びの推進に向けは、中間支援組織の強化がポイントとなっており、そのひとつとしてESD活動支援センターの活用が挙げられています。
ESD活動支援センターは、ユネスコ世界会議の成果と「国連ESDの10年」で広がったESD実践者の提案を踏まえ、文部科学省及び環境省の共同事業として2016年に設置された官民協働のプラットフォームです。全国8箇所の地方センター及び地域ESD拠点、全国規模の協力組織・団体とともにネットワークを形成し、連携してESDを支援しています。
主な機能としては以下の4つを有しています。

① 情報の収集・発信
研修、教材、アワード、政策、助成金等の情報をウェブサイト、SNS等で提供しています。また、メールや電話等による相談にも応じています。
② 支援体制の整備
地方センターと連携し、地域の実践者のニーズに沿った支援プログラムの検討を行います。また、地域ESD拠点の形成・活動を支援します。
③ 学び合いの促進
ネットワークを育み、互いに学び合う場として「全国フォーラム」を開催します。
④ 人材の育成
実践者やコーディネーター、指導者の育成と、活動の場づくりに取り組みます。また、ユースのキャパシティ・ビルディングを支援します。

地域ESD拠点への登録や情報発信のサポートなど、CNACの会員および理事の方々にも活用いただける支援メニューをご用意しております。是非この機会にご登録いただき、環境教育・ESDの推進ネットワークを拡大させられると嬉しいです。

認定NPO法人日本環境教育フォーラム(JEEF)事務局長/ESD活動支援センター副センター長 加藤超大
https://www.jeef.or.jp/
https://esdcenter.jp/

2025年3月11日|キーワード:環境、教育、連携