第218号「海遊びは最高の〇〇」2024.11.29配信
今月16日、横浜市開港記念会館にてCNAC第19回全国フォーラムが開催されました。今回のテーマは「楽しさがつなぐハマの海の未来」と題し、ハマで活躍されている現場経験豊富な方々から実践に基づく様々な情報を提供いただきました。 1つ目の話題は釣り。(公財)日本釣振興会事務局次長でハマの海を想う会の代表の吉野生也さんと元横浜市立幸ケ谷小学校校長の高根順さんからは、子どもたちを取り巻く環境が近年大きく様変わりし、自然との関わりや非日常での体験の機会が少なくなっている現状から、身近な自然をもっと子どもたちへとの思いから釣りを通じた環境学習を学校教育に取り入れ、海や生き物、地元地域への興味関心や愛着心を育まれていることを報告いただきました。
2つ目の話題はビーチ。
NPO法人湘南ビジョン研究所理事長の片山清宏さんからアジア初の国際環境認証「ブルーフラッグ」を取得された経緯について報告いただきました。サーフィンを楽しむ一方でビーチに流れ着くごみの多さに驚き、当初はたった一人でごみ拾いから始め、しまいには職場(市役所)を退職してブルーフラッグの取得を目指すという波乱万丈?!の生き様を語っていただきました。また若者の海離れを少しでの解消しようと、海の環境教育に特化した市民大学を開校され、「海をもっと楽しもう!」というコンセプトのもと、湘南の海をキャンパスにしてこれまで7年間で計349講座、1万1千人以上の方が受講されているとのこと。将来は日本で100カ所のブルーフラッグ認証ビーチを誕生させ、日本の素晴らしい海を次世代に引き継ぎたいという未来を語っていただきました。
3つ目のテーマはみなと。
横浜市港湾居新本牧事業推進課課長補佐の谷政史さんから横浜市港湾局の事業と豊かな海づくりの取り組みについて紹介いただきました。横浜と聞いて思い浮かべるイメージのトップは「海・港」だそう。客船の寄港数では国内1位、海上コンテナ取扱量では国内2位ということで、やはり横浜といえば港、港といえば(絢子ではなく)横浜というイメージは広く国民にも定着していますよね。また海洋環境や環境経済の分野で話題となっている「ブルーカーボン」も横浜市が国内の自治体として初めて取り組まれ、そのモデルを活かしていまでは全国各地に展開されています。その横浜市が豊かな海づくりとして生物共生型護岸の整備や藻場・浅場の整備、ワカメ繁茂の実証実験などを行い、ブルーカーボンの拡大を進めていることが紹介されました。やはり日本を代表する港・横浜、全国の港湾の先駆けとして港の未来を描き続けていただきたいと思います。
4つ目のテーマは川。
横浜SUP倶楽部代表柿澤寛さんから横浜港に流れていく大岡川でのSUPによる活動を紹介いただきました。直接水に触れることができ、水面との距離が近い分、その水質やごみなどの環境には敏感にならざるを得ないなかで、単に遊んで楽しむだけではなく遊び場の環境整備としてごみ拾いを行ったり、PWCとの水面利用に関する問題を解消するためのルールづくりや周知を行ったりとその活動は個人の遊びから社会課題の解決まで多岐にわたることを紹介いただきました。
それぞれの分野での顔役となっている方々からの実践を交えた情報提供は、全国どの地域、水域でも参考となる内容でした。
最後のパネルディスカッションではそれぞれの個性を引き出せればとナイショ話も披露いただき、ココでは書けないオモシロ話も伺えました。
最後の締めくくりは、とにかく海で遊び、楽しもうということで意見が一致し、海遊びを推奨するCNACとしても引き続き安全に楽しく海で遊べる環境づくり目指して活動を行って参ります。
CNAC理事/(公財)笹川平和財団 海洋政策研究所海洋政策実現部特任部長 小原朋尚
https://www.spf.org/pioneerschool/
2024年11月29日|キーワード:連携、全国フォーラム