第206号「第18回全国フォーラムin阪南 報告」海上智央

第206号「第18回全国フォーラムin阪南 報告」2023.12.01配信

 CNACの一大イベントである全国フォーラムを阪南市で開催しました。
  CNACは令和4年度から「新たな連携を構築する3ヵ年計画」を進めており、昨年の東北初開催に続き、東から西へ、関西初開催となりました。ここ阪南市は海洋教育を精力的に進めており、まず市内の海洋教育を下荘小学校、舞小学校の子供たちが紹介してくれました。活動写真から楽しみながら地域の海を学ぶ子供たちが垣間見え、思わず頬が緩みます。
 情報提供では、NPOの立場で阪南の海辺の体験活動をリードする岩井さんから始まり、阪南で生まれ育ち、教師と教育委員会の立場で海洋教育を進める林さん、漁協の職員として海の現状や活動を紹介してくれた小野里さん、神戸で海の防人たる漁業者がやるべきことを語っていただいた糸谷さん。皆さん所々にユーモアを交えながら今の活動について真っ直ぐ前を向いてお話いただきました。
  パネルディスカッションでは、それぞれの課題や悩み、将来についてお話を聞きましたが、悩みながらも様々な人を巻き込み、未来に向けて動いている力強い姿勢を示してくれました。その後の懇親会では、岩井さんが地域の活動拠点として発展させている牡蠣小屋へ。阪南の海の幸をいただきながら、地元漁師、行政、NPOなど様々な肩書を持つ人と砕けた雰囲気で語り合う、アットホームで楽しい時間を過ごしました。
  本会を通して、行政と地元とNPOが同じ目的で歩みを揃えると、こんなにも物事が進むんだと、改めてその推進力に驚きました。阪南市もトップダウンで海に関する施策を進めた訳ではなく、漁師さんのお孫さんがアマモの自由研究をやったことがきっかけで岩井さんと出会い、その過程の中で官民がタッグを組み、全国アマモサミットを開催したり、市内全小学校での海洋教育の実践、SDGs未来都市・自治体モデル事業に選ばれるなど、あれよあれよという間にコトが進んだと現場の声を聴きました。まだまだ次のチャレンジを進める阪南市の今後にも注目し、温かい人たちに会いにまた訪れたいと思います。人々が集う魅力がここにはあります。
  CNACもそのような場となれるように、これからも様々な地域に出向き、それぞれの立場を越えた人間同士で、膝を突き合わせ、海と子供たちのことを語り合っていきたいと思います。

(株)自然教育研究センター インタープリター 海上智央
https://www.ces-net.jp/
2023年12月1日|キーワード:全国フォーラム、漁業、連携