第198号「ブルーカーボンと海辺の自然体験活動」森川雅行

第198号「ブルーカーボンと海辺の自然体験活動」2023.3.31配信

 最近、ブルーカーボンという言葉を耳にする機会が増えたと思います。ブルーカーボンとは、海洋生物の作用によって、大気中から海中へ吸収された二酸化炭素由来の炭素のことです。陸域生物によるものは、グリーンカーボンと言われています。
 人間の活動で年間96億トンの炭素が大気中に放出され、陸域での炭素の吸収は19億トン(森林など植物の吸収から、森林伐採など開発による排出を引いた数値)、海域では25億トンの炭素を吸収し、差し引き52億トンが毎年放出され、地球温暖化の要因になっています。
参照:国土交通省HP「ブルーカーボンとは」
 カーボンニュートラル2050(2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロ)を目指して各種の取り組みが加速しています。これらのほとんどはCO2の発生を削減しようとするものですが、ブルーカーボンはCO2を吸収するものであり、吸収した生物は深海にいたるため、陸上に比べて貯蔵期間が長いと言われています。
 こうしたブルーカーボン生態系の活用を図るため、SDGSに取り組む企業からの関心を呼び込み、NPO・市民団体等による藻場の保全活動等を支援する新たな資金メカニズムとしてジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)によるJブルークレジットの認証・発行が行われています。これは、JBEから独立した第三者委員会による審査・意見を経てJBEが認証・発行・管理する独自のクレジットであり、令和2年度から試行されており、認証されたプロジェクトは1,4,21と毎年増加しています。また、これらの認証プロジェクトのCO2吸収に対し、企業のクレジット購入が盛んになっています。令和4年度は、市民等の多様な実施主体による環境保全活動に加えて、関西空港や神戸空港の緩傾斜護岸など大規模な人工構造物も認証されています。
 確かに、カーボンニュートラル2050を目指した取り組みは、地球環境保全のために必要不可欠ですが、地球に暮らすわれわれ人間も意識を変える必要があります。 特に幼少時の経験が重要になると思っています。
 幸いなことにすでに多くのプロジェクトが地元小学校(神戸港の兵庫運河の干潟保全活動における神戸市立浜山小学校)等を巻き込んで実施されています。科学技術の発達で、メタバースに代表される仮想空間(VR)の世界はとどまることを知りません。しかしこれらを通じて得られるものは疑似体験、間接体験に過ぎず、直接体験ではありません。失敗すれば自ら痛みを伴う、場合によっては他人を傷つけてしまうなど自然体験活動がこれからの地球を担っていく子供たちにとって重要だと思います。
 子供たちの成長のためには、適切な指導者がなくてなりません。CNACでは、2008年に小冊子「海あそび安全小冊子」を作成、配布するとともに現地で講座を開催してきており、2017年からは、小学校への出前講座を実施しています。また、これらの講座を開催できる指導者育成の取り組みとして、2011年から「海あそび安全講座指導者養成セミナーを実施しています。海辺の自然体験活動で困りごと、悩み事がありましたら、是非経験豊富なCNACの扉をたたいてください。我々は、子供たちとともにすべての生き物に対して優しい地球を作り続けていきたいと考えています。
CNAC顧問/(株)不動テトラ 執行役員副社長 森川雅行

2023年3月17日|キーワード:アマモ、体験、ブルーカーボン