第195号「全国フォーラムin塩釜の担当理事を終えて」神保清司

第195号「全国フォーラムin塩釜の担当理事を終えて」2022.12.28配信

塩釜でのCNAC全国フォーラムが無事に終了しました。初めての東北開催。会員団体も少ない東北で開催したかった理由はただ一つ。あの大きな震災から11年を経た東北の海辺の自然体験について話し合いたかったから。私も山形生まれの東北人の端くれとしての郷土愛が発言を後押しした。前日入りしてまずは仙台の街に降り立って関係各所へごあいさつ回り。相変わらず賑やかな駅前のアーケード街を抜けて定禅寺通りのケヤキ並木を通り抜ける。勾当台公園のところどころ紅葉が残っていて美しい。杜の都仙台のみなさんは大変温かく迎えてくださった。大都会の街中にはもはや震災の爪痕はみあたらないが、海沿いの町塩釜はどうなのだろうか?明日への期待が膨らむ。
翌朝、仙石線に乗って本塩釜へ向かった。駅から徒歩10分ほどで会場のマリンゲート塩釜に到着。建物内には震災で津波に襲われた当時の写真が掲載してあった。真っ黒い波に流されそうな漁船や遊覧船の写真を横目に桟橋に目を向けると写真に写っている船が係留されている。復元されたのか無事だったのか。どちらにしても松島湾の入り江は大変穏やかで美しかった。もちろんフォーラムの発表も素晴らしかった。福島の魚類の放射能残留計測の取り組み、松島湾のアマモ場再生の取り組み、志津川湾ラムサール条約登録と環境教育の取り組み、復興庁による防潮堤事業の取り組みなど。フォーラムを終えて砕けた雰囲気の中で発表者の皆さんから聞いた苦労話や熱い気持ちには心を打たれた。
あの震災をきっかけに津波を恐れて海離れが進んだといわれている。実際に私の仕事も影響を受けた。運営する施設は高台にあるため広域避難所に新たに指定された。特に学校団体などは海辺の町を訪れること自体を避ける傾向があった。
そして昨今のコロナ禍。海辺は三密を気にせず過ごせる場所として人々が戻りつつある。 自然災害やウイルス禍・・・私たちは多くの災いを経験した。これらは地球に暮らす以上これからも逃れることはできない。日常生活で築き上げてきた資産や人との繋がりを一瞬で失うことすらある。しかしながら人間は困難な状況から立ち上がる力を備えている。その力をレジリエンスと呼ぶらしい。これらの力は日々の自然体験で培われることが昨今の研究で明らかになっている。海に親しみ、楽しさも怖さも学ぶ機会を創出する我々CNACが担う期待は大きい。楽しみつつ邁進しよう!

CNAC副代表理事/南房総市大房岬自然の家所長 神保清司
http://taibusa.jp/
2022年12月27日|キーワード:全国フォーラム、震災