第181号「大阪の子どもたちが帆船で環境調査へ」小原朋尚

第181号「大阪の子どもたちが帆船で環境調査へ」2021.10.29配信

 

大阪市内の市立小学校6年生児童22人が修学旅行で帆船「みらいへ」での1泊2日の大阪湾環境調査のクルーズに出かけました。
大阪一の繁華街、梅田に近い大都会にある小学校のため1学年1クラスと児童数が少ないことが幸いして?!、40人乗りの「みらいへ」でも引率教員を含めて収容可能です。
1日目、大阪港天保山岸壁まで地下鉄で学校から移動して来た児童は、乗船後に体操服に着替えると先ずは恐怖のマストのぼり!
デッキ上30m近くあるマストの真ん中にあるトップボード(見張り台)まで、ハーネスを取り付けていきなりのチャレンジです。その頃には見送りのご家族も岸壁に集まり、待機する児童とともに大声援で恐怖心を克服しようとする子供たちを応援します。
無事にマストに登りきった子供たちのテンションは超マックス、その勢いで離岸出港して早速セットセイル(展帆)。ロープを引くときの「ツー・シックス・ヒーブ」の掛け声も大きく、息もぴったり。
体を動かした後はデッキでランチ、大盛りライスをもりもり平らげて午後は操船、ロープワーク、バウスプリットに分かれて班ごとに順次体験、関西空港域では同校の元校長先生たちがヨットで伴走してくれるなどのサプライズもあり、夕方には淡路島の洲本港に到着。洲本温泉で入浴してお土産をゲットしてから「みらいへ」での夕食。1日もりもり動いたこともあり夕食でも食欲旺盛。夕食後はデッキで班別対抗フィッシングダービー、協力しあって釣果を競ったあとはデッキを暗転、空には満点の星空(だったら良かったのですが・・・)
そんなこんなで1日目が終わり、21時半の就寝時間にはみなさんぐっすり眠りについていました。
2日目は、起床前に洲本港を離岸出港して大阪湾の南端にある友ヶ島へ。4つの島の総称が「友ヶ島」ですが、そのうちの和歌山県寄りの「地の島」沖でアンカーしてボートで上陸。上陸地点には無数の海ごみが!!
上陸前から海岸に漂着している海ごみが視認でき、その多さにさすがの都会っ子もびっくりです。この量の海ごみを回収するのは到底困難、今回はどのような海ごみが漂着しているかを調査することを主目的として、各自小さなプラごみを持ち帰ることにしました。
帰船後は、プランクトンネットを速力2ノットで約10分間曳航してマイクロプラスチック(MP)の回収。本来はプランクトンなどの海洋生物を収集するためのものですが、最近は必ずMPも収穫?!できます。持ち帰った海ごみを粉砕して、MPとともに貝殻にのせてレジンで硬化させて海ごみアップサイクルによるキーホルダーづくりにチャレンジしました。
大阪港に帰港する前に、なぜ海ごみが多いのか、なぜ友ヶ島の漂着するのか、どこからやってくるのか、どうしたらいいのかなどについて考える、盛りだくさんの2日間でした。

CNAC理事/(一社)グローバル人材育成推進機構理事/帆船「みらいへ」船長 小原朋尚
帆船「みらいへ」https://www.miraie.org/
2021年10月25日|キーワード:体験、環境、教育、ヨット