第162号「日本安全潜水教育協会『JCUE』認定アンダーウォーターインタープリター活動のご紹介」矢北浩司

第162号「日本安全潜水教育協会『JCUE』認定アンダーウォーターインタープリター活動のご紹介」2020.3.27配信

 

JCUEは、「水中環境を直接的に監視できる長所を生かした環境保全活動や、環境教育の普及啓発に関する事業を行なうことによって、社会に貢献すること」を活動目的の一つとしています。
私達は、この目的を踏まえて、「環境に対する配慮」、「海洋環境の変化に対する気付き」、「自然環境保全の重要性」などの環境に対する意識の向上を、すべてのダイバーに対して提唱したいと考えています。
そのためには、一般ダイバーが今までとは違った視点や感性でダイビングを楽しめるようになること、生態系の仕組みを正しく理解することが大切です。

JCUEの組織には、環境教育専門家やネイチャーガイド、魚類生物専門家、物理的な海中環境専門家の会員が多く在籍しています。そのメリットを活用し、新たな自然環境解説の専門家を養成するプログラム開発を行い、水中環境や生物の不思議などをわかりやすく解説できる『アンダーウォーターインタープリター(UWインタープリター)』と呼称する新たな資質を持つ指導者の養成活動を実施しております。

JCUE会員には、ダイビング事業者としてのダイビングインストラクターも多く、観光レジャー事業というカテゴリーで、沢山の生き物を育む海の恩恵を受け活動しています。
他では海を研究や学習や開発の役に立てている人達や、生活や食べ物の供給先として日常を海に接する人達等、沢山の分野の人々が海洋環境に依存して生業や活動を行っています。
一方陸上に目を移せば、ネイチャーツアーやエコツーリズム、国立公園や文化遺産、観光地の解説ガイド等、幅広い分野の専門家が存在します。

アンダーウォーターインタープリターと言う新しいダイビングガイドスタイルを構築し磨きを掛けていくためには、同業種ネットワークからだけの学びには限界があります。
異業種、異業界の自然環境解説専門家の方と繋がりを持ち、情報共有することで、アイデアや気付きが生まれ、新しい取り組みに繋がると考えています。

その考えを活動に反映すべく、2019年3月に伊東市伊豆高原学園で「海辺の環境教育セミナー@伊豆」をJCUEアンダーウォーターインタープリターが実行委員長を担当し開催致しました。全国から様々な環境教育に携わる多方面分野の90名の方々が参加して頂きました。
2019年6月にはJCUEアンダーウォーターインタープリター主催で「東京湾干潟観察セミナー」を、風呂田利夫先生(東邦大学名誉教授、東邦大学理学部東京湾生態系研究センター訪問教授、JCUE正会員)を講師にお招きし、木更津市小櫃川河口の奇跡的に残った広大な塩性湿地と前浜干潟で、カニ、二枚貝、巻貝、ハゼ類などの生態系の観察を行いました。
干潟観察会は大変好評で、2020年5月に第2回の開催が決定しております。今回は東京湾の独特な漁法であるすだて漁エリアの干潟に網や竹竿で作られた定置網に入っている生物のスノーケリング観察セミナーです。
東京湾の豊かさと贅沢さを、ダイバーという特権を使って楽しむフィールドセミナーです。

JCUEではアンダーウォーターインタープリター主催セミナーだけでなく、講師をお招きしての講演やワークショップも数多く開催しております。

ご興味のある皆様のセミナーのご参加をお待ちしております。随時ホームページで開催予定告知しております。

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※アンダーウォーターインタープリターとは
【従来型の生物や生態紹介のダイビングガイド手法から少し視点を変え、水中観察や解説方法を、参加者の好奇心を刺激し、水中世界の不思議や驚きを自ら発見出来るよう導き、さらに新たな興味に繋げるテクニックを有するダイビングガイド】
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特定非営利活動法人 日本安全潜水教育協会(JCUE)事務局 矢北浩司
http://www.jcue.net/

2020年3月16日|キーワード:環境、インタープリター