第144号「海洋教育にベントスの視点を」海上智央

第144号「海洋教育にベントスの視点を」2018.9.28配信

 

 このたび新たにCNACの理事を務めさせていただくことになりました小原朋尚(おはらともひさ)です。和歌山県の山間に産まれ育ち、海は縁遠い存在であったものの、高校時代に自作でヨットを製作する先生に出会ったこともあり、具体的な海への関わりができました。まず、ボート免許(当時の四級小型船舶操縦士)を取得し、ヨット雑誌で見たクルー募集の告知を頼りに大阪の淡輪ヨットハーバーでヨットデビュー。平行してスキューバダイビングにも挑戦してCカードを取得。 大学の受験勉強よりも海への原資を得るためのアルバイトに勤しんだことで、あえなく予備校へ進学しました。その予備校時代でも「受験勉強より海!」と、毎週発行されるアルバイト雑誌を購入して海関係のアルバイトがないか職探しに勤しみ、大手舟艇メーカーが運営するヨットスクールのインストラクターの職を得ることができました。 そして大学受験で訪れた町の書店でたまたま立ち読みした海事広報誌に、大阪市が帆船を建造し、ボランティアクルーを募集する記事を発見し、「よし、これだ!!」と大学進学後は大阪市が建造した帆船「あこがれ」のボランティアとして大学生活の大部分を過ごしました。学生時代には4カ国に出向きましたが、すべて帆船「あ こがれ」の海外航海にスタッフとして参加したことによりタダで海外旅行ができました。さて、大学卒業後、小学生の頃からの夢であったエアラインパイロットの試験(航空身体検査)に不合格となり、やはり私は「空」ではなく「海」で生きるべきと考え、海事関係の行政手続きを専門とする海事代理士の事務所を開業することになりました。その海事代理士業務のなかで、マリンレジャーにおける海面利用の不自由さに唖然としたことから、海(水)域利用の調整のあり方について学ぼうと神戸大学大学院海事科学研究科に進学し、海の利用や活性化について学ぶとともに、海を教育の拠点と位置付けられないかと考え、これまでのセーリングやダイビングなどの経験をもとに、地元の和歌山大学にて「マリンスポーツを活用した教育旅行のプログラム開発」に研究員として専従することになりました。スキーの修学旅行があれば、マリンスポーツの修学旅行があってもいいのではないかとの発想から、和歌山の沿岸域の管理とあわせて教育としてのマリンスポーツの可能性について探る毎日でした。(と言いながらセーリング、カヤック、ダイビング三昧の幸せな日々を送っておりました。) 一方で、大阪市の行財政改革の一環で帆船「あこがれ」事業が廃止され、競争入札にかけられることとなり、ようやくセーリングの教育としての可能性も見出した時に「マザーシップ」が無くなるのは悔しいとの思いから入札に参加、無事に落札でき、帆船「みらいへ」として就航4年目を迎えております。現在では小学校の修学旅行や高校・大学での実習授業など、学校教育との連携も進んでいます。今後も「学校」としての取り組みを強化しながら、セーリング体験による海洋環境への意 識付けや異文化交流などを通じて「地球人」の育成を図っていこうと考えております。

 

CNAC理事 海上智央
株式会社自然教育研究センター http://www.ces-net.jp/

2018年09月25日|キーワード:干潟、教育