第82号「大きな笑い声をキーワードに!」大野木博久

第82号「大きな笑い声をキーワードに!」2013.7.29配信

 マリンレジャーの世界は、ひところに比べて敷居が低くなってきているとはいえ、まだまだ敷居が高く、特にボートやヨットは一部のお金持ちの世界と思っている人が多くおります。そのイメージを払拭することに、ボート業界全体が最大のテーマとして日々取り組んできております。

 そのような中、当NPO法人海の達人は2006年に海の世界のバリアフリーを紹介しつつ、マリンレジャーを中心に「元気に楽しむ障がい者」たちを紹介することで、海というフィールドを障がい者と健常者の差がなく、安全に楽しんでもらえる場として広く周知することを目的に、「海のバリアフリーまつりinマリーナ河芸」というタイトルの下、初めて開催しました。

 多くの仲間や団体の協力を得て、障害の有無、老若男女に関わらず、多くの方々にご来場していただき、興味を持って各イベントにもご参加していただきました。終了後、ある障がい者の方が“満面の笑顔”で「私たちもマリンレジャーを楽しめるんだぁ!私にもヨットを操船できるんだぁ!」と感動の一言。「これは1回では止められないなぁ…」と。それから数えて、今年度2013年第8回目を迎えます。

 また、2007年より「セイラビリティ河芸」を発足。海のよさを再認識してもらいたいという思いと、障がい者を含む青少年、子ども、高齢者が共に楽しく活動できる場を作りたいという思いからだ。毎年4月-11月の月2回、“大きな笑い声の中”セーリングやカヤックを楽しんでいる。

 近年、「海は怖い!」「海は危険だ!」と言う人々も多くあり、子供たちが「海」を遊び場にする機会が少なくなってきています。確かに「海」は地球規模の自然がゆえに人力には耐え難い厳しさを持ち、また人工物のようにやすやすと人間が管理することはできない。

 しかし、「海」との正しい付き合い方を学び、身につけさえすれば「海」は冒険の舞台となり好奇心を育て、多くのことと出会い、発見し、経験を手に入れる絶好のフィールドとなると確信しております。

 「海」を知らずに子供たちが大人になっていくのが、将来、本人にも社会にもどんな影響があるかと思いを巡らせると、決して明るい気持ちになれません。自分自身に多くのことを教えてくれた「海」への恩返しの気持ちも込めて、「海」で楽しみ、「海」で人と触れ合い、「海」で少しでも豊かな時間を過ごしていただけるように取り組んでまいります。

 今後も当法人の活動を通して、施設のバリアフリー化、心のバリアフリー化を進め、「海」を誰もが安全に楽しめるフィールドとして利用できるよう環境を整備し、「海」が健やかな心身をはぐくむ場所とし、『大きな笑い声をキーワードに』 “原点回帰、海への回帰”を目指して参ります。その結果、海洋国家日本のマリン文化そのものの発展にも寄与して行ければと考えております。皆様におかれましても、ぜひ一度ご参加していただければ幸いです。

NPO法人「海の達人」理事長 大野木 博久
http://www.umi-tatsujin.net/

2013年07月29日|キーワード:海,安全