第81号「ゴミと格闘する子どもたちとともに」2013.6.28配信
『西の浜はゴミ箱じゃない!』
西の浜クリーンアップ活動のスローガンになっているこの言葉は、亀の子隊が活動を始めるきっかけとなった言葉です。はじめて、西の浜に行きったとき、そのゴミの多さに驚き、怒り、「最終処分場よりもひどい」と言ってゴミを拾い出した子どもたちの1人の男の子がノートに書いた言葉です。
それは、15年前のことになります。わずか14人の4年生で始めたクリーンアップ活動。それはそれは、見事なゴミでした。自転車で15分ほどかけて毎週、浜に出かけゴミ拾いをしました。3年間、1人も「やめよう」とは言いませんでした。それどころか、「海をきれいにしたい」という思いを強く感じました。その思いを支えてやりたいと、いろいろなことを相談しながらすすめてきました。毎年100程度の事業所に『海をきれいにする活動に協力して下さい』と手紙を送る『手紙作戦』もその一つです。
亀の子隊には、今年は小・中学校10校から30人の子どもたちが隊員になっています。昨年と比べると少し減ってしまいましたが、中には何年も継続している子もいます。
「私は亀の子隊に入り、5年目です。毎月活動していく中で、拾っても拾ってもなくならないゴミを見て、本当に嫌になることもありました。しかし、ここで投げ出したら西の浜がもっとゴミだらけになってしまう。という思いでがんばっています。」
これは、昨年度『明るい社会づくり推進実践体験文』に入選した6年生の女の子の作文の一部です。亀の子隊の活動紹介や活動発表をするときには必ず言うのですが、子どもたちの心は本当に純粋です。子どもたちの力は実にすばらしいものがあります。子どもたちの心は常に「よさ」を求めています。そして、それを吸収していく力があります。クリーンアップ活動では、夏の暑い日も北風が吹く冬の寒い日も、黙々と文句も言わずに淡々と浜のゴミ拾いをします。何もご褒美はありません。亀の子隊がサークルとして活動を始めてから、多くの子どもたちが亀の子隊員として活動をしてくれました。
ゴミと格闘する子どもたちの表情はとても活き活きとしています。ゴミを拾うことが『きれいな海を守ること』だとわかっているからでしょう。活動が終わったときに集まったゴミの量、きれいになった浜を見て、活動の価値を子どもたちなりに理解をしているのでしょう。
『きれいな海を守る心』を広げていくためには亀の子隊の活動を続けていく必要があります。そこには、資金面の問題やより多くの人に参加してもらうために亀の子隊の思いをいかに広げていくかという問題がありますが、これからも多くのみなさんの支援をいただきながら、子どもたちとともに楽しく活動を続けていきたいと思います。
環境ボランティアサークル亀の子隊 代表 鈴木吉春
http://www.kamenoko.org