第107号「美しい海(魅力的な海)」福田功

第107号「美しい海(魅力的な海)」2015.8.28配信

以前、国土交通省港湾局で環境担当の課長をしておりました福田と申します。その節には、CNACの関係の皆様には大変お世話になり、有難うございます。

私は還暦を間近にして本年4月、国土交通省を退職し、縁あって7月からは日本埋立浚渫協会に勤めています。御用向きがございましたら何なりと申しつけてください。

国土交通省を退職して、夫婦でまず相談したことは、これまでいけなかったところへ行き、できなかったことを体験するということでした。あれこれと相談し悩んだ末に行き着いた答えが、沖縄の海に行こう、ということでした。決まれば早速、善は急げで、4月上旬、関西国際空港から沖縄県の宮古島に飛びまして、生まれて初めて、サンゴ礁の海でシュノーケルの体験をしました。そして、驚きました。この世にあれほどの美しい世界があるとは、知りませんでした。海の中で感動する自分を抑えるのに苦労をするほどでした。そして、後悔もしました。長い間、港湾という仕事柄、常に海は身近なものであったのに、海の中の美しさを知らなかった。また、沖縄には、若いころに3年近くも住んでいながら、いったい自分は何をしていたのか、泡盛ばかり飲んでいたのかと。ちなみに、家内は私以上に感動し「我を忘れていた」そうで、一度海に出たら、しばらくは浮いたまま(たぶん2時間くらい)で浜には戻ってはこないという状態でした。

もうひとつ、海の魅力について思うことがあります。
自分はこれまで、国土交通省に37年間勤務する中で、18軒もの異なる家に住み、そのほとんどで単身生活を送ってきましたが、子どもたちが夏休みひと月のほとんどを、私の単身赴任先で過ごしたことがありました。それは、CNACの皆さまにはおなじみの町、千葉県の館山市に2年余り勤務していた時のことです。館山は三方を海に囲まれて、外海は太平洋の荒波が押し寄せサーファーたちが遊び、入江の岩場には伊勢エビやアワビが育ちます。内海は東京湾の一部を形成し、鏡が浦と呼ばれる波静かな内湾を南北数キロに亘る砂浜が縁取っています。子どもたちが捉われたのはもちろんこういう変化に富む海で泳いだり遊んだりすることですが、同時に、あちらこちらの街で毎日のように繰り広げられる催し物にも魅せられたようです。アジすくいや地引網、ウォータースイムレース、砂浜を舞台にしたフラメンコ、水中花火大会、伊勢エビやサザエのバーベキューなど。美しい海の魅力を堪能し切った夏休みだったのではないでしょうか。館山を転出するときに、遠く離れている小学校の娘に、館山にそのまま居て欲しいと泣かれたことを思い出します。

CNACの皆さまには、益々のご活躍を期待しています。

(一社)日本埋立浚渫協会 専務理事 福田 功
http://www.umeshunkyo.or.jp/

2015年08月28日