第52号「NPO法人(NPO)の目的」2011.1.28配信
正月明けの1月5日に締め切られた調査主体:日本環境教育フォーラムの 2010年度自然学校調査アンケートというものがありました。質問の内容はプロフィールから始まり設立時点から、活動開始年は?という
ものから取り組むテーマや活動理念、社会的役割までの102問という多岐にわたるものでした。正月休みを利用してのアンケートに答えていったわけですが、設立当初のことを
あれこれ思い出す良い機会となりました。そこで活動を始めたきっかけと今後どんな 活動をしたいかを書かせて頂きたいと思います。
そもそも始めたきっかけというのは、私が50歳の11月に伊豆の安良里で行われた JCUEのダイビングリーダーズミーティングに参加させてもらったことから始まります。
生まれも育ちも東北の田舎ですので、冬に雪があるのは当たり前、しかも父親が山役人だったので、小さい頃からスキーを履かせてもらっていましたし、夏は漁師町に住んでいる祖母の家へ泊り込んで貝やウニを捕って楽しんでいました。
自然の中で遊ぶのは普通のことでしたし、製紙工場が進出するという事に対しては 海を汚すということで真っ先に反対という昔から環境問題には関心はあったのですが
「環境教育」や「自然体験活動」と言う言葉にはなじみはありませんでした。50歳まで生かしてもらえれば後は、自分が出来る範囲で何かお返しが出来ないかと探していたときに出会ったのがJCUEのミーティングに参加している素晴らしい人達でした。そして安良里からの帰りに横浜駅まで車で送ってもらったのですが、車中ではインタープリターの話等詳しく教えてもらいその時に、「スノーケリングやウインドサーフィンなど自分が今まで海で楽しく遊んで来たことだったら子供たちにも伝えることが出来るかもしれない。」
そんなふうに思い始めその後の活動の指針となりました。
翌年早々に石垣島での海辺の環境教育フォーラムに参加し、次に奥多摩でITS22、サイパンでDM、翌年サイパンでNAUI ITCを受けてダイビングやスノーケリングの指導できるようになりました。また、この年(2004年)にNPO法人の認証を受けました。
現在、年間数百人ほどの子どもたちとスノーケリングやカヌーなどで遊んでいますが、
その中でずっと気になっていたことがあります。それは家庭に恵まれない子どもたちにもこの楽しいあそびを体験してもらいたい。ということでした。
秋田では文政十二年(1829)、町民と藩の支援を受けた「感恩講」という名称の民間主導の画期的な救済事業団体が誕生しています。(NPOの原型)構成員は百九十一名、献金は金二千両、銀十貫匁。その金銀で知行地(農地)を購入して財政基盤をつくり、そこから上がる年貢収入で、平年は貧民を救済し、凶作の年には飢餓に苦しむ人たちを助け、毎年の収入の半分は救済に使い、残りの半分は貯蓄するというもので、この方法をとれば、出金者個々の経済力に影響されることなく、恒久的に安定した活動を維持することができる。というものです。(二〇世紀ひみつ基地さんのブログより)
昨年、NPOの集まりの時にそのことを話題にしたら話が順調に進みすぐに“感恩講児童保育院”さんへ説明に伺うことが出来ました。そして夏休みに入った7月の土曜日と日曜日に小学生から高校生までをカヌースノーケリングに招待することが出来ました。
引率された先生からは、こんなふうにウエットスーツを着てのスノーケリングやカヌーを本格的に教えてもらえるとは想像もしていなかった。と喜んでもらいました。
郷土の大先輩達が182年前に始めたNPOの事業に少しですが関わることが出来たと
思っています。今回は最初ということもあって6名+4名だったのですが次回は、施設の子どもたち全員を楽しい海あそびに招待したいと思っています。
CNAC理事 打矢 繁美・NPO法人 あきた海辺の自然学校 会長