第104号「多摩川河口干潟生物調査SCOP100レポート」2015.5.29配信
多摩川河口干潟調査は、10年間続いている干潟のモニタリング調査です。羽田空港の拡張工事に合わせて環境監視を市民ぐるみでやってほしいという国土交通省からの依頼に応じて始まりました。あるとき、COP10という国際会議が、愛知で行われ、我々は10回の会議より100個のスコップで調査をしようと呼びかけて、SCOP100調査と名付けました。国土交通省によるモニタリングという役割は一昨年で終了しましたが、市民から継続して実施してほしいという要望があがり、海辺つくり研究会、多摩川干潟ネットワーク共催で行うことになりました。調査は国土交通省国土技術政策研究所、横浜国立大学、千葉工業大学、東邦大学東京湾生態系研究センターさんたちからの指導や協力を得て、今年で10年目を迎えました。5月17日が今年の調査日です。
今年はスタッフを含めて120名が集まり過去最大規模となりました。毎年、子どもが楽しみにしているという家族連れも少なくありません。
調査は、20m間隔でポイントを設定して、それぞれの地点において20cm四方で泥を採取してその中に生息する生き物を取り出して測定するものです。多くの地点でたくさんのヤマトシジミが採取されるので、その大きさも測定してどのような世代のシジミが生息しているかを把握します。並行して、干潟の地形や水質、底質なども測定します。
調査の合間には、カニさがし隊を結成して、カニを大学で研究してきたというカニ博士が、カニの見分け方や生態などを解説していただくイベントを行いました。子どもも大人もカニ探しに夢中になり、中には全身泥だらけになってしまう子供もいて、泥だらけ大賞を急きょ授与しました。
現地の調査が終わって、昼休みには干潟ネットワークの皆さんが事前に採取したシジミでシジミ汁を作ってくれて、おいしくいただきました。
天気にも恵まれ、事故もなく52地点の生物調査データはあっという間に集まりました。
NPO法人海辺つくり研究会理事長・CNAC監事 鈴木覺
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