第73号「みなと造りのお手伝い」2012.10.26配信
私たちのNPO法人は平成16年7月、関東地方の港湾・空港及びその周辺の沿岸域を主たる活動範囲として設立されました。当NPOは長年に亘って港湾・空港施設の建設・管理に携わった者が主体となって運営しており現在の会員数は110余名です。
設立当初の主な活動は、港湾・空港の市民に対する広報業務として横浜港、横須賀港の港湾施設、荷役作業等の見学案内、平成19年から平成22年には当時進められていた、東京空港D滑走路建設事業の建設現場の紹介業務等があります。しかしながらこれらの業務は建設事業の完了や事業主体の広報業務の縮小等の事情により、現在は停滞の状態になっています。
設立以来、最も力を注いできているのは、港湾・空港の建設技術の伝承と建設現場の工事安全の取り組みです。当法人の設立当時は、港湾・空港のピックプロを含む多くの建設現場で労働災害が多発していたこともあって、その防止策は重要課題であり、当法人の主要業務の一つに位置付けた経緯が有ります。具体的には国交省の出先機関が認定した「工事安全アドバイザー」が実施する建設現場の安全パトロールや工事安全講習会等の支援を通じて、建設現場の安全対策の一層の増進を図ると共に、若手技術者のスキルアップにも寄与しようというものです。
工事安全対策と同様に取り組んでいる活動に、港湾・空港の防災業務の支援があります。これは平成7年1月の阪神・淡路大震災を契機に各機関で設けられた「防災エキスパート制度」の運営に呼応するものです。防災エキスパートとは大規模災害の発生時に港湾・空港施設等の被災情報の迅速な収集等の支援活動をボランティアとして行うもので、当法人の多くの会員が登録し活動しています。昨年3月の未曾有の大災害を教訓として、実効性の有る災害対応力を発揮すべく、訓練の企画運営、検証及び活動の記録整理等、「エキスパート事務局」が行う業務の円滑な運営に側面から支援を行っていくものです。
この他にも、沿岸域の環境保全と創造に関する活動として横浜港内において、夢ワカメワークショップや山下公園海底清掃大作戦を他団体と協働で行っています。
以上の活動を通じて、港湾・空港の施設整備の促進や、市民の港湾・空港への係わりのお手伝いの輪を広げていきたいと考えています。
NPO法人みなとサポート 副理事長 岩渕栄一
http://minato-support.org/