第32号「海はどんなところがおもしろい?!」2009.5.29配信
今月の活動は磯の生き物観察とシーカヤック体験でした。自然体験活動のフィールドで、よく活用されるのは森や林が多いかもしれません。海を活動フィールドにすることが少なくなっています。普段の生活でも海へ出かけることが極端に少なくなってきていると感じます。しかし、本当は海はとってもおもしろいところなのです。それを知らない人が増えてしまっただけなのです。
何がおもしろいかというと、まず、海はじっとしていません。穏やかな海もあれば、少し荒れている海もあります。必ず波が打ち寄せては返しの繰り返しを行います。それが状況によって少しずつ変化をします。又、音も聞こえてきます。海辺でよく海を見つめている人がいるのは、この波を見、心地よい音に耳を澄ませているのでしょう。
見るだけでなく、海に入ってみましょう。透明なきれいな海もあれば少し濁っている海もあるでしょう。砂浜では波によって砂が踊らされて濁って見えます。磯や岩ばでは澄みきって見えるところが多いでしょう。海に入る楽しみにもうひとつ、波に乗る楽しみがあります。残念ながら私はサーフィンなどはやらないのですが、シーカヤックは楽しんでいます。海面の高さで見る海は又違った顔を見せてくれます。又、周りの景色も違って見えてきます。大きなエンジン音もなく、海面を動くときは波と一体になった感じがします。ヨットも同じ感覚ではないでしょうか。
海の中をのぞいてみると、必ず動いているものが発見できます。特に磯は生き物の宝庫です。森の中ではなかなか動く生き物を発見することは難しい場合が多く、植物や落下物を題材にすることが多々あります。海の中では動物だけでなく、海藻などの植物なども波に揺れて動いています。人間は動くものに単純に、興味を示し、夢中になります。捕まえたいという衝動にもかられます。採取してよいかどうかは、問題がありますので、ここでは触れませんが、動く生き物と容易に出会える海にもっと出かけてみましょう。そのときに知識がなくても十分楽しむことができますが、ほんの少しの知識が加わると、もっと楽しくなります。あまり動かないヤドカリをじっと見つめていたり、なんとなく不気味なイソギンチャクに触ろうとしている子どもたちの目はキラキラ輝いています。親子で出かけてみてください。今まで見たことのない子どもの顔に出会えるかもしれません。
我々はそんな機会をどんどん提供していきたいと考えます。
CNAC理事 三好利和・野外教育事業所 ワンパク大学 代表