第49号「青少年教育施設における海辺の自然体験活動」神保清司

第49号「青少年施設における海辺の自然体験活動」2010.10.29配信

千葉県南房総市にある南房総市大房岬少年自然の家。
この施設はNPO法人千葉自然学校が指定管理者として運営しています。
ある日、磯の生き物観察プログラムに50名の親子連れが集まりました。講師は自然学校のスタッフ。この日は磯モノと呼ばれるウニ、アワビなどをとる地元の漁師さんが特別講師です。

この日のテーマは2つ
「海に生きる生き物の生態を知る」
「漁師さんから学ぶ海の恵と漁師の暮らし」

参加者は普段目にすることのない、さまざまな生き物の姿に興味津々。そして漁師さんが捕るタコ、ウニ、トコブシなど寿司屋やスーパーで目にする高級食材には大きな歓声があがりました。参加者は大満足の様子で、プログラムは大成功に終わりました。

海の自然体験活動において漁業従事者と自然体験活動指導者の融合は、重要なテーマです。子どものたちの興味関心を引き付ける自然観察テクニックや安全管理などの企画運営は自然学校。半農半漁の生活から培われた知識や技術、文化を方言で語るのは地元漁師。それぞれの得意分野を生かして役割分担を上手に行えば、参加者の満足度も上がるはずですよね。

陸の上では農家と自然学校が融合して農業体験プログラムが盛んです。そんな流れを海でも広げてゆきたいと思っています。自然学校が運営する青少年教育施設の担うべき大きな役割ではないでしょうか。自然体験活動を切り口とした実験と研究を南房総で続けています。

CNAC理事 神保 清司・NPO法人千葉自然学校 大房岬少年自然の家 所長 

2010年10月29日|キーワード:教育,自然,体験