第22号 2008.7.25配信
今年の2月に佐賀県の唐津でCNACの全国フォーラムが開催され、皆さんのご尽力で成功裏に終わったことを喜んでおります。残念ながら、私は出席できませんでしたが、平成4~6年の3年間、佐賀県庁に出向していた私にとっては第二のふるさとであります。
唐津の西の浜はかつて佐賀県第一の海水浴場として県民の誰もが親しんだ風光明媚な海浜でありました。しかしながら、松浦川からの流下土砂が減少する中で西の浜も次第にやせ細り、平成4年当時は無残な状況となっていました。そこで、かつての豊かな浜の再生をめざし、港湾における海岸環境整備として、砂を補給する養浜事業を実施しました。県民の多くの方々にたいへん喜んでいただきました。この思い入れの地で初の地域開催となる全国フォーラムが開催されたことは嬉しい限りであります。
ついでに佐賀の思い出をもう1つご紹介しますと、佐賀県には外海の玄界灘と内海の有明海があり、潟地の有明海には海浜は無く、有明海周辺の住民の悲願となっていた海浜を長崎県との県境に近い太良町に造成しました。潮の干満差が5.5mの海域であった所から町長さんが“月の引力が見える海浜”と名付け、町民をはじめとする多くの人々が賑う親水空間となりました。
平成14年に千葉県の館山で初めて海辺の自然学校を開催して以来、早6年が過ぎました。関係者のご尽力でCNACが設立され、広範な活動が展開されつつあることはたいへん素晴らしい事であります。海辺を舞台としたドラマチックな活動は全国の津々浦々で展開されているものと推察され、横の情報交換を活発にして連携が取れれば海辺の活動はより実りある展開になるであろうと信じておりますので、CNACがそのネットワークの母体となるよう成長してもらいたいと願っております。
CNAC理事 岩瀧清治・財団法人沿岸技術研究センター 専務理事