第95号「CNACに望むこと」角浩美

第95号「CNACに望むこと」2014.8.29配信

私がCNACとお付き合いさせていただいたのは、2009年4月から2010年9月までの間、当時の国土交通省港湾局 国際・環境課 港湾環境政策室に勤務していた頃です。当時の海野義明代表理事を始めとするCNACの主要メンバーの方々から、海の安全活動等々色々と教えていただき大変お世話になりました。

 海での安全を考えつつ、海に慣れ親しむという活動に最初に携わったのは、2002年、九州地方整備局の博多港湾・空港整備事務所に勤務していた頃ですが、その時は、玄界灘の大島(現宗像市大島)で「海の自然体験学校」をやろうということになり、大島までフェリーで渡り、島内を1周して適地を探した覚えがあります。自然学校が開催されたのは翌年でしたが、その時は、残念ながら、既に異動しており参加できませんでした。この時、インストラクターで来られていたのが海野義明氏だったと後で知りました。

 そんなことで、このような活動には直接的ではないにせよ、以前からなんとなく関わっていたような感じです。港湾環境政策室に勤務していた当時は、CNAC理事会の会合にもオブザーバーで参加させていただきましたが、理事の皆様のこの活動にかける熱き思いが良く伝わってくるような活発な議論が交わされていました。今も引き続き、熱き議論が交わされているのではと思います。

 当時は、体験学校など現場に行く機会がありませんでしたが、港湾環境政策室を離れ、2013年7月に関東地方整備局京浜港湾事務所に勤務してから、その機会が訪れました。以前は、地方整備局の港湾事務所が中心となって体験学校を開催していたようですが、最近ではその活動も下火となっておりました。そんな中、たまたま、横須賀市が主催者(京浜港湾事務所は後援者)となって、横須賀市走水の海水浴場で、「海の自然体験学校」を開催することとなり、後援者として参加いたしました。地元の方がインストラクターとなって、地元小学生に海の安全講習、海の生き物観察、シュノーケリングの練習、地引網による魚捕獲と観察等々盛りだくさんの内容を1日で行うものでした。

 なかなかこのような機会が少ないこともあり、参加していた小学生は、非常に生き生きとしており、付き添いの親御さんも参加するなど大変、有意義な内容だったのではないかと思います。

 また、その時は、地元のインストラクターを育てつつ、活動のサポートをするために、木村尚氏と海野義明氏が参加されておりました。その時のお二人のお話では、地元のインストラクターもかなり自ら活動ができるようになってきたとのことで、これまでのCNAC等の地道な活動がしっかりと実を結んでいるのだという思いを抱きました。

 なお、海野義明氏が考案したレスキューキャップを2リットルペットボトルに装着した浮きを活用した救助訓練も行ったことを追記しておきます。

 これまで、CNACとして海の安全や海に慣れ親しむ活動を地道にかつ精力的に行ってこられましたが、その成果は着実に現れてきているのではないでしょうか。NPOとして財政的基盤が決して強いとはいえない中、CNACメンバー皆様が様々な工夫やアイデアを出しつつ、引き続き、活動に取り組まれることを祈念しております。

公益社団法人日本港湾協会 角浩美

2014年08月29日|キーワード:教育,安全,体験