第139号「海に関する標語」2018.4.27配信
各地で、勿論ネットの中にでもいろいろな標語が書かれています。その中で特に「え?」「?」「成る程!」と思ったのが、石垣市の海沿いにある(皆、海沿いなのですが特に埋め立てられた土地に建てられた)小学校や幼稚園の脇にある防波堤に書かれている「海では遊ぶな 石垣市交通安全母の会」
「自然体験活動を積極的」にとか「子供は自然の中で育つ」「海は生命の母」「森のようちえん、海辺のようちえん」等等に関わっている者としては、「海では遊ぶな!」と言われるショックは大きいですね。ダイビングで沖縄地方に来ると、ダイビングショップのオーナーさんやスタッフの方達の殆どが内地から来ている人が多く、地元の人は余り見かけることはありませんでした。内地から移住してきたオーナーの息子さんもせっかくの家業を継ぐことも無く他の職種に就職するという私にすれば勿体ない選択をしてしまいました。
朝や夕方に漁港の周りを散歩をしていると、近所の年配の方と良く顔を合わせ話をしますが、自分は昔「海人」だった!小さな船で波照間まで良く漁に行った物だ!と自慢話に花を咲かせます。
こちらでは海人が誇りなのですね!
そして町内にはお刺身や天ぷらを売るお店が多くあります。マグロのお刺身が100g100円程でしょうか。
旧暦の3月3日(ひな祭り)今年は4月18日(大潮)にはこちらでは、浜下り(サニズまたはハマウリ)と言って この日女性達はご馳走を用意して浜に集まり、潮干狩りを楽しみます。そして足を水につけ、穢れを払います。・・・このような伝統行事があっても「海では遊ぶな!」と大きく書かれています。
以前沖縄本島の海岸でダイビングを指導する為にインストラクターの方が砂浜から船を出そうとしてオコゼを踏んでしまい数分後に心肺停止となり救急車で搬送されたものの1時間半後に病院で死亡が確認されたという事故がありました。
この事故から、良くテレビの広告などで、綺麗な砂浜の海へ走って入るという画面がありますが、怖いと思いますね!
また八重山保健所管内での2001年から15年間にハブクラゲなど海洋危険生物での被害が年平均45件発生している、ということが昨年発表されました。
ダイビング中にハブクラゲに出会ったことはありませんが、5月から10月頃に発生して海水浴場として指定されているビーチなどで被害に遭うことも報告されています。それらのビーチにはハブクラゲ侵入防止ネットが張られていますが、クラゲの触手が切れて網目から入ってくることもあるとか。
ハブと同様の毒があるとなると、やはり海で遊ぶな!と言いたくなるのも解るような気がします。
ただ、毛深い人にはハブクラゲの触手は届かないと言う人も居ますから、ラッシュガードの長袖の上下やフード、ブーツ・手袋それに周りを見渡せるようにマスク等を付けて注意を怠らずに自然の中に入ることを小さいときから教える、覚えさせる、と言うことも必要でしょうね。
CNAC理事 打矢繁美 NPO法人 あきた海辺の自然学校会長
http://akitaumibe.com/