第67号「海はいいなあ」三好利和

第67号「海はいいなあ」2012.4.27配信

4月の伊豆七島三宅島に行ってきました。当団体は36年前に三宅島の人間牧場という施設で生まれた団体でした。私自身も人生の半分以上、三宅島と関わっていることになってしまいました。24年前に人間牧場が閉鎖してから春に島を訪れることが少なくなっていました。以前4月の島を訪れたのはいつだろうか、思い出すことができません。このところ7月から9月までの間に訪れていました。
海は行きも帰りも予想以上に荒れていました。春の海は気難しいんだったと昔を思い出しました。季節の変わり目の春は昔から天気図的には落ち着いているような場合もかなり波が高いことが多いのです。

そうだ。皆さんはあまり船を使って旅行をすることがないですね。どんな船だと思いますか。大きさは約4千トン、長さは約100メートルあります。かなり大きそうですが、北海道や四国、九州に向かうフェリーは1万トンクラスですから、それに比べると小さいです。設備も寝る場所と小さな食堂があるくらいです。夜行になるのですが、お風呂はなく、シャワーだけです。シャワーもついたのは10年くらい前にやっとです。今は2等も指定席ですが、以前は自由席で、夏休みなどは大変な混雑でした。40代以上の方で島に遊びに行ったことのある方は強烈に覚えているのではないでしょうか。今の2等は天国ですよ。

是非久しぶりに東海汽船に乗ってください。伊豆七島航路は2つの定期船が東京、三宅島、御蔵島、八丈島航路と大島、利島、新島、式根島、神津島航路に就航しています。近くにある神津島や新島の人が三宅島に行くには、一旦東京に行って、船を乗り換えないと行けないのです。仕方ないですね。
島には必ず風裏があります。荒れている時も反対側に行けば、穏やかな海が見られます。同じ天候でも島ではいろいろな海を見ることができるのです。
ボランティア活動の際に福島の南相馬市の海岸に行きました。津波が堤防の一角を破壊し、家屋をのみつくし、何もなくなっていました。堤防の壊れたところから穏やかな波が見えました。この海がどんなすごい表情を見せたのだろうか、想像がつきません。

帰りの船から荒れている海を眺めていました。でも何か、落ち着く気がしました。
海は生きている!俺は生きているぞ!と海が叫んでいる気がしました。
津波の被害に遭われた漁業関係者が再び、漁業を再開するニュースがあちこちから聞こえてきます。「自分たちはやっぱり海から離れられない」という共通の言葉を聞きました。

私たちも、海で育ち、海に育てられているのです。
自分はやっぱり、山より海がいいなあ!!

野外教育事業所 ワンパク大学 代表 三好利和 CNAC副代表理事
http://www3.ocn.ne.jp/~wanpaku/

2012年04月27日|キーワード:海,島