第80号「プロセスを大切にする」2013.5.31配信
先日、大人だけで沖縄の無人島に行ってきました。
朝日に反射してキラキラした青い海をもぐって、サンゴの下をのぞいたり追いかけまわしたりして、昼ごろやっとつかまえた魚。さばいて料理して食べたのは夕ごはん…。味付けは沖縄風に海水のみでゆでるのみ。大漁ではなかったけれど、みんなで分け合って食べた魚は最高においしかった…。
結果だけでみれば「つかまえた魚を食べた。」だけです。しかし、それを捕まえるまでの楽しさ、なかなか捕まらない時の心の葛藤や、さばいていたらウツボが寄ってきてびっくりしたことや、沖縄の料理方法に「へー」って感心したことや、ワイワイ言いながら仲間と食べたこと全部ひっくるるて、自分にとって幸せな体験でした。
コンビニに行けば食べ物はすぐ手に入る、レンジでチンすれば料理ができあがる、遊びは友だちがいなくても電源入れるだけ…、便利な世の中になったことは確かですが、果たしてそれが本当に人が望んだ「豊かさ」なのでしょうか。僕は、この沖縄で感じた幸せ感こそ「豊かさ」だと感じました。子どもたちのキャンプでも、この「豊かさ」を子どもたちに感じて欲しいのです。テントをはったり、魚を釣ったり、ムシ採りにでかけたり、カ
レーを野外料理で作ったり、ガイアのキャンプでもいろんなことをしますが、どれも結果だけじゃなくてプロセスを大切にしています。
結果だけを求めると、子どもたちの主体性を無視することになりがちです。
最近ひどいなと思ったのが、自然体験と謳いながらカブトムシをもれなく配ったりしていたイベント。子どもたちの欲望は満たさせれるでしょうが、それ以外に得るものはあるのでしょうか。
ガイア自然学校のムシキャンプで、なかなか見つからないカブトムシを探して、朝早く起きたり、どの木にいるのか探し回ったり、どこで見たとか情報を分け合ったり、エサを仕掛けてみたり、苦労して捕まえたカブトムシを観察してたら飛んで行ってしまったり…、それを爆笑して話している子どもたちは最高に輝いていたし、豊かな感性だなぁと感動しました。
人にとって本当の豊かさを感じさせるキャンプ、どんどんつくって行きたいと思います。
NPO法人 ガイア自然学校 代表 成田裕
http://gaia-ns.com/web/