第177号「海あそび安全講座指導者養成セミナー開催にあたって」2021.6.25配信
いま、私の手元に『海あそび安全講座運営マニュアル(案)』(平成22年3月NPO法人 海に学ぶ体験活動協議会)という冊子があリます。
ページを繰るごとに、海の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方に伝えたい、その前提となる海辺の安全をなんとか守りたいという、諸先輩の熱意が行間に漲っており、思わず居住まいを正してしまいます。
制作に関わったのは、現在の様々な海辺の体験活動のルーツを辿ると、必ずこの内の誰かには行き着くCNAC黎明期のメンバーの皆さんです。
先に完成していた小冊子、『海あそび安全講座』と『親子海あそび安全講座』を使用して、楽しく海辺の安全講座を行うための虎の巻である『海あそび安全講座運営マニュアル』の原型であり、具体的かつ実用的な内容ですが、何を盛り込みどう伝えるかを、メンバーが、その経験と知見を注ぎ込みながら検討していく『過程』も垣間見える愉しみもあって、毎年この時期に読み返すのが恒例となりました。
CNACでは平成20年より全国各地で「海あそび安全講座」を開催してきました。
さらに多くの皆さんに参加していただくためには、各地で開催してくれる多くの指導者が不可欠です。
四方を海に囲まれ、多様な海岸線を有する我が国では、全国組織CNAC会員の活動内容は、地域特性、海辺の体験活動の多様性に比例して様々であり、当初は各団体の安全に関する知見もまちまちでした。
そこで、団体・指導者ごとの差異を標準化して行こうと始まったのが『海あそび安全講座指導者養成セミナー』です。
昨年に続き、コロナ禍の只中にあっても、シーズン前のこのセミナーは今年も開催されます。
『海あそび安全講座』と『親子海あそび安全講座』は、毎年、助成を受けて増刷し、様々な団体での安全啓蒙活動にご活用いただいています。印象的で、楽しく過不足なく大切なポイントが身に付くテキストとして未だこれを超えるものはないと自負しております。
セミナーでは、これらを使って、より具体的に、実戦的に、安全講座を担う指導者に必要なことをお伝えいたします。
今年も三好代表理事とともに、主に実技部分を担当させていただきます。
このプログラムは、テキスト、運営マニュアル同様、セミナー自体が、これまで担当されてきた海野さんをはじめ諸先輩が練り上げてきた財産でもあります。
参加者の若者たちから学びながら、さらに時代に合わせて練り上げて、次世代へ伝えていきたいと思います。
最近、「安全・安心」という言葉を極めて空虚に乱発する向きがありますが、安全・安心ということに真摯に取り組むということがどういうことなのか、私自身の行動で示していこうとも考えています。
今年還暦を迎えるにあたって、もう年金繰上げ受給して隠居すると言いふらしておりますが、もちろんこれは「何言ってんのー!まだまだ若いのにー!」などと言って欲しいという、典型的なかまってちゃん発言であり、そんなつもりは毛頭ありませんし、何より妻が許してくれるはずもありません。
まだまだ邪魔にされてもしゃしゃり出て、一生活動は続ける所存ですので、皆様、これからもご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます!
CNAC副代表理事/マリンオフィスムーンベイ 代表 小池潔
2021年6月21日|キーワード:安全、指導者